作業周縁化(周囲の人から作業を制限されている状態)

作業周縁化に陥ると,対象者はやりたいことをやらせてもらえない,やりたくないことをやらされているように感じます.

 

作業周縁化は支配下にある人や少数集団 にて顕著に認められます.さらに誰が行なってもいいような活動のみを与えられるなどの状態も作業周縁化に含まれます.

 

意味ある作業を制限する集団や相手は作業周縁化の原因となります.

精神領域での例

  • 就労したくても家族に反対されて仕事につけない
  • 休息を認められずに過重作業を行なっている
  • 出来るにも関わらず雑用ばかりで本格的な業務を担当させてもらえない

対応方法

意思決定を支援することはエンパワーメントを高める効果があります.作業周縁化が生じている要因を明らかにし以下のような支援を行います.

Eklund M, Erlandsson L, Leufstadius C: Time use in relation to valued and satisfying occupations among people with persistent mental illness: Exploring occupational balance. Journal of Occupational Science 17(4):,231–238.2010.

 

クライエント側の要因

  • 遂行技能の低さによって周囲から制限をうけている時には,作業遂行の質を高めることで周囲からの理解が得られるようにします.
  • コミュニケーションや交流技能の問題で,したいことやその理由を適切に周囲が伝えられていない時には,それらの技能を高めることで適切に伝えられることを目指すことや,時には治療者が代弁者になることも可能です.

 

周囲の人の要因

  • クライエントの作業に対する思いと周囲の人の思いの間に乖離が生じている時には,それぞれの状況と目的を明らかにしながら,両者の了解が得られる作業参加の方法を検討します.
  • 具体的には信念対立解明アプローチを用いるなどが挙げられます.