作業剥奪(環境の制限の影響で作業が行えない状態)

作業剥奪は環境(社会文化的,制度的,物理的,政治的)の制限に影響を受けて生じます.

 

作業剥奪に陥ると,クライエントはやりたいことはあるのに環境の影響で制限があってできないと感じます.

 

注意:意味のある作業を制限する集団や相手は作業周縁化の原因となり,作業剥奪で扱う環境要因には含まれません.

精神領域での例

  • 散歩をしたいが入院中で外出が制限されていて行くことができない
  • お金がなくて必要なものを買うことができない
  • 役所に行きたくても駅やバス停が近所になく外出に躊躇している

対応方法

  • 現在の制限が生じている原因を分析します.

  • 環境の調整,道具の整備,制度の活用などを検討します.

  • 行動制限の原因が改善可能な場合は,その原因の改善に向けた治療・支援を行うことも可能です.
  • 特に入院患者さんは入院生活での制限から生じる影響が大きいことが予想されます.入院による制約は適切な範囲であるかどうかの見直しなど図り,健康状態に応じた作業参加が保証されるように留意します.